フリーランス・一人親方を守る「労災保険」の補償内容とは?

こんにちは!
日々のお仕事、お疲れ様です。

みん労理事長の前嶋です。

皆さんは通勤・お仕事中にケガや病気になったことはありますか?
もし、保険や労災に入っていなかったら、お仕事が原因のケガや病気でも、何の補償もなく、「自腹で泣き寝入り」となってしまいますよね。何があるかわからない、毎日のお仕事の中に「何か補償が欲しいな」と思ったことはありませんか?
今までのフリーランスや一人親方だと、一部の人しか、労災保険に入れませんでしたが、令和6年11月から、全業種で「労災保険」に加入することができるようになりました。

今回は労災保険に加入することで、得られる「補償」についてお話します。

目次

特別加入による労災保険とは?

フリーランスや一人親方さんが入る労災保険制度のことを、「特別加入」といいます。
この特別加入は、これまで、職種別に分けられ、そのカテゴリーの諸種の人しか入れませんでしたが、あたらしい法律のもと、現在、すべての業種のフリーランス・一人親方が入れるよう、制度の拡充がありました。

これで、皆さんが、「万が一があっても補償がある」「安心してお仕事ができる」ということになったのですが、
そもそも、「労災保険の特別加入って、何がいいの?」「必要なの?」「入ると、どんないいことがあるの?」「コスパは?」など、疑問も尽きないと思います。

無駄なお金は払いたくないけど、
「一人で頑張っているから、何かあった時の補償は欲しい…」
「契約先に労災に入るように言われたけど、そもそも労災が何なのかよくわからない…」
という人がほとんどだと思います。

「特別加入による、労災保険の補償」の三つの柱は?


1・療養(補償)給付
  ケガや病気の治療に必要な給付を受けられます。例えば労災指定医療機関において、無料で治療を受けることが  できます。
2・休業(補償)給付
  療養のために仕事を休み、収入を得ていない場合に給付を受け取ることができます。
3・遺族(補償)給付
  仕事や通勤が原因で死亡してしまった場合には、遺族の方が年金または一時金の給付を受けることができます。

フリーランス・一人親方ですので、契約先からの指示がない限り、加入するかどうかは、今のところ、任意です。しかし、もし、これと同じような補償の民間保険に入ろうとした場合、掛け金は相当に高くなります。

ただ、デメリットは、労災保険は「人に対して」の補償なので、物を壊すような「物損」は対象外です。
そういった補償が欲しい場合は、損害保険に入ることをお勧めします。

労災保険の保険給付

では、この労災保険の詳しい補償内容を見てみましょう。

療養(補償)等給付


労災病院または労災指定病院等において必要な治療等が無料で受けられます。それ以外の医療機関等で治療等を受けた場合には、治療等に要した費用が支給されます。

支給事由
仕事または通勤によるケガや病気により療養するとき

休業(補償)等給付


休業4日目以降、休業1日につき給付基礎日額の60%(特別支給金20%と合わせて80%)が支給されます。

支給事由
仕事または通勤によるケガや病気による療養のため労働することができず、賃金を受けられないとき

障害(補償)等給付

年金:1年当たり給付基礎日額の313日(第1級)~131日(第7級)分が支給されます。
支給事由
仕事または通勤によるケガや病気の状態が安定し、治療してもこれ以上改善しない状態(「治ゆ(症状固定)」と言います。)となり、障害等級第1級から第7級までに該当する障害が残ったとき

一時金:給付基礎日額503日分(第8級)~56日(第14級)分が支給されます。
支給事由
仕事または通勤によるケガや病気が治ゆ(症状固定)した後に障害等級第8級から第14級までに該当する障害が残ったとき

傷病(補償)等年金


1年当たり給付基礎日額の313日(第1級)~245日(第3級)分が支給されます。
支給事由

仕事または通勤によるケガや病気(傷病)が療養開始後1年6ヶ月を経過した日又は同日後において次の各号のいずれにも該当することとなったとき(1)傷病が治ゆ(症状固定)していないこと(2)傷病による障害の程度が傷病等級に該当すること

遺族(補償)等給付


年金:遺族の人数に応じ、1年当たり給付基礎日額の245日(4人以上)~153日(1人)分が支給されます。
支給事由
仕事または通勤が原因で死亡したとき
(被災した特別加入者(労働者)の死亡当時にその収入によって生計を維持されていたなど、所定の要件を満たした配偶者等の遺族に対し支給されます。)

一時金:右記(1)の場合は給付基礎日額の1000日分が、(2)の場合、1000日分から既に支給した年金の合計額を差し引いた額が支給されます。
支給事由
(1)遺族(補償)等年金を受ける遺族がないとき(2)遺族(補償)等年金を受けている方が失権し、かつ、他に遺族(補償)等年金を受けられる者がない場合であって、すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たないとき

葬祭料等(葬祭給付)


31万5千円に、給付基礎日額30日分を加えた額または給付基礎日額60日分のうち、いずれか高い方の額が支給されます。
支給事由
仕事または通勤が原因で死亡した方の葬祭を行うとき

※上記の他にも、要件を満たした場合には、介護(補償)等給付や社会復帰促進等事業による特別支給金等を受けることができます。

フリーランスの労災保険 特別加入を扱っている団体

団体名郵便番号所在地(住所)連絡先
連合フリーランス
労災保険センター
101-0062東京都千代田区神田駿河台3-2-1103-5761-8338
ACTORS
フリーランス労災
160-0023東京都新宿区西新宿3-15-5-101003-4400-9295
ぺんぎん労災サポートセンター
特定フリーランス部会
064-0826北海道札幌市中央区北6条西28丁目
みんなの労災保険組合 103-0022東京都中央区日本橋室町1-11-12
日本橋水野ビル7階
03-6869-5398
TSCフリーランス部会163-0214東京都新宿区西新宿2-6-1
新宿住友ビル14階
0120-1965-22

まとめ

いかがでしたか?
意外と手厚いと思いませんか?

私たちは、労災加入団体として活動していますが、加入者さんがケガなどなされたときは、保険が下りるまでの書類作成や、省庁や病院などとのやり取りもさせていただいております。

皆さんの「万が一」の場面にかかわっていると「誰でも事故やケガ、病気のリスクはある」ということや「まさかと思う瞬間に事故やケガは起こる」ということを感じます。

どんな人でも、事故やケガに遭うつもりの人はいません。いうでも安心安全に過ごしていたいですし、そのつもりで日々お仕事をされていると思います。

ところが、やはり、人は時々困った場面に遭遇するものです。
今回の労災の特別加入の拡充は、今まで労災に入ることができなかった(ほんとに入れてもらえなかった!)業種の皆様にとって、転機といえます。

フリーランス・一人親方の皆様にとって、労災保険はまさにリスクヘッジ(万が一への備え)となるのです。

危険が予測されるお仕事の方、現場や仕事先への移動がある方などは、ご検討されることをお勧めします。

もし分からないことがありましたら、お気軽にみん労までお問い合わせください。

※参考サイト
厚生労働省HPより
フリーランスの皆さまも、特別加入により令和6年11月から労災保険の補償を受けられます!

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